- 中古車オークション・会場・仕組みについて
- 中古車オークションを利用するには・出品代行
- 中古車オークションを使えば高く売れるのか
- まとめ
・本記事の信頼性
私(キノさん)は車の買取業界で10年、約2,500台の車の出張査定・買取をしてきました。オークションへの出品・利用にも精通していますので、記事の信頼性担保に繋がると思います。
1. 中古車オークション・会場・仕組みについて
高く売る方法を解説する前にまずは中古車のオークションについて簡単に理解しておきましょう。
中古車オークションとは、中古自動車の流通における買取側(ディーラー含む)と販売側(ディーラー含む)を繋ぐ場として役割を担っており、業者間の取引の場として全国各地にあります。扱うものは中古車(軽・普通・貨物・トラック・輸入車・高級車)で、新車はもちろん対象外です。(ディーラーで売れ残った新古車は大量に出品されています。)
- (中古車の)買取側とは、車の買取店が買取した車を出品したり、ディーラーが下取りした車を出品する側のこと
- (中古車の)販売側とは、中古車販売店が売る車を仕入れたり、ディーラーが販売する中古車を仕入をする側のこと
を具体的には指しています。
中古車オークションの会場
日本全国で150以上の会場があり、最も大きなところはUSS(株式会社ユー・エス・エス・東証1部上場)になります。
≫USS
その他自動車メーカーのトヨタ、ホンダ、日産、いすずが運営する会場の他、オートリースのオリックス自動車が運営する会場(オークション形式ではなく入札形式)などもあります。
年間の中古自動車の出品台数は、2019年で764万5565台で、大量の車がオークションを通して流通されています。
国内で一番大きいUSS東京という会場の3/26の競りデータでは、17,778台が出品され、成約台数は9,629台。12レーンで同時に開催されており、1時間で1400台、1分で23台、1レーン1台当たり30秒弱で売れていっている計算なので物凄いスピードで競りが行われています。
中古車オークションの仕組み
中古車オークションの利用は登録制になっています。古物商を保持している業者がオークション会場に登録申請し、認められると出品や競りに参加することが可能となります。
- 出品側は、出品料と落札された時の成約料が1台あたり手数料としてかかります。(平均して各1万円ぐらい)
- 落札側は、落札時の落札料がかかります。(平均して1万円ぐらい)
オークション会場は、この出品側と落札側からの手数料(1台成約すれば約3万円前後)が売り上げとなります。
2. 中古車オークションを利用するには・出品代行
個人が出品することはできない
上記の通り、個人が出品しようと思うと古物商〜事業申請〜会場申請と金銭的にも、時間的にもハードルが高いと言えます。
そこで、オークション会場に出入りできる中古車業者に出品や落札を代行で依頼するという形をとります。ネットで「オークション代行」と検索するだけでも多くのサービスがヒットすると思うので確認してみてください。その際のメリットとデメリットを書きます。
出品代行のメリット
- 買取業者に査定を依頼するよりもほぼ間違いなく高い金額で売れます
- 新しい知識・経験が得られます(新しいサービスを利用することで)
シンプルにメリットは価格です。流通構造上、買取業者に買取を依頼するよりも高く売れる確率は高いですし、買取業者が税込価格で買い付けるのに対し、オークションは税別でお金が動くところも大きいです。
出品代行のデメリット
- 流札になってしまった場合の対応(売れなかった場合、出品料が嵩むこと)
- 売れるまでに時間がかかる可能性がある
- 代行手数料によっては金銭的メリットが薄まる
- オークション会場での査定評価点との相違リスク
- 依頼する代行業者のオークション販売スキルが結果に影響する
など、不安要素の方が若干高いと言えるかもしれません。但しリスクのないところにリターンはありませんのでよく考えると良いと思います。わかりにくい部分を説明します。
・出品すれば必ず売れるという訳ではありません。上記のUSSのところでも書きましたが、3/26のUSS東京会場の成約率は56%です。10台のうち4台は売れなかった計算です。売れなかった場合、再出品するか、車を戻すという流れになります。再出品すると再度出品用がかかりますし、車を戻すとしても手間かコストが発生します。
・上記の理由で、売れるまでにそれなりに時間がかかる可能性があります。
・出品を代行する際必ず代行手数料をとられます(それが収益となる為)。前述した、出品コスト(売れると約2万円)に代行手数料を加え、買取業車に売る際とどちらが総合的にメリットがあるか比較する必要があります。これは結論から言うと、売る車の内容によって変わります。傾向としては高額車であればあるほどオークション出品代行のメリットが高いと思います。
・中古車は評価点があります。仮に代行業車が4点という評価を売る車に評価していたとしても、オークション会場での評価点がそれよりも低い評価点となってしまった場合、売れる金額は予想より下がります。
・出品時には出品票という競りの際に落札業者が見るシートがあります。これにも売れる書き方が存在しますがその辺のスキルによっても売れる価格が異なります。上記の査定スキル含めて依頼する業者の腕によって結果が異なるリスクがあります。
3. 中古車オークションを使えば高く売れるのか
出品代行のところで書いてしまいましたが、高く売れます。
中間コストがなくなるので買取店の本来の利益となる分高く売れるようなイメージです。大体、買取店の1台当たりの利益は5万円〜15万円で設定されている為、
4. まとめ
キノさんのおすすめは、
- 車の売却において初心者 → 車買取店に売る
- 車の売却に慣れている、詳しい、車好き → オークション出品代行を使うのはアリ
という流れです。
大多数の方はディーラーの下取り経験はあるけれど、車買取店に売ったことがない人やあまり詳しくない人だと思いますので、大手の買取店や、一括査定などで買取店に売った方が総合的にメリットがあると思います。メリットはポイントを押さえれば比較的高い価格で売却ができることと、しっかりした業者を選べば売った後が安心できることです。
≫良い買取店・業者の見分け方【中古車業界人がおすすめの買取店】
それなりに経験がある人は、出品代行も十分ありです。特にスポーツカーや、オプションが多い車、高額車などは買取店の利益見込みも20万円以上のものが多く、オークション出品することでその分の利益を手に入れることができます。
ご自身の状況に併せて適切な選択をし、豊かなカーライフを送りましょう。