- 買取店はなぜ車を高く買えるのか
- 車が高く売れる時期
- 車を高く売るには洗車は必要?
- 車の高く売れる色とは
- 車を高く売る交渉術
- まとめ
この記事を書いている私は、車買取業界で10年、これまで約2500台の車の査定や買取をしてきました。買取に関する知識は十分なので記事の信頼性担保に繋がると思います。
1. 買取店はなぜ高く買えるのか
高く売る為に、まずは買取店が高く買える構造から見ていきましょう。
高く買える理由は、高く売れる販路を持っているから
中古物は定価がなく、需要と供給のバランスで価値で決まります。これは中古車でも同じです。
車の買取が一般的ではなかった1990年〜2000年までは、ディーラーの下取りや買取が一般的でした。
しかし日本の中古車の耐久性や安全性が一般的に知られる様になり、また海外への中古車輸出(2019年では約130万台、179ヶ国!)が増えるに従って、ディーラーの下取り額よりも高く買取をしても差益が残る(ビジネスになる)ということがわかり、中古車の価値に注目が集まるようになりました。
特に近年の中古車輸出の拡大は目覚ましく、今後世界の経済発展に従いまだまだアフリカなどにはマーケット拡大余地があると言われています。(海外でも日本の自動車メーカーが自社工場で新車を作っているにも拘らず、日本で製造された中古車の需要が物凄くあるって凄いことです!)
出典:https://www.cardealpage.co.jp/seminar/archives/10
日本の中古車は海外からも評価が高い
日本の中古車は、
- 車検・定期点検制度
- 丁寧に使用する国民性
- 舗装された道路
の理由から、品質が高いと言われています。
車検制度は日本固有のもので(業界を守る理由もあり)、当たり前すぎて気付きませんが日本の道路というのは綺麗で、車体に対するダメージが少ないんですね。
2. 車が高く売れる時期
一般的には、毎年5月〜10月の期間は相場が安定している
5月〜10月は、「ボーナス時期」「夏休み前後」の時期で新車も売れやすく、中古車相場比較的毎年安定しています。
逆に11月〜4月は、
- 年末年始(海外バイヤーが本国に帰ってしまって売買が活発でない、国内も大型の消費が落ち込む)
- 年度末(決算の為特にディーラーや大型店から売れ残った中古車が市場に放出され供給過多)
の理由から、相場の変動が激しく、買取側からすると強気の値付けがやりにくい時期になります。
中でも輸入車・外車は普段から海外からの需要が国産車に比べて少なく国内市場の需要によって保たれている為、大きく値下がりする車両が頻発します。
すぐに売らなくても電話で大体の価格だけでも調べておきましょう。
3. 車を高く売る為には洗車は必要?
やった方が印象はアップ!ただし価格への影響は微妙かも
洗車をしておいて頂けると傷のチェックが早く済んだり、お客様への印象が良くなります。ただし傷と汚れの違いは査定士は判別できるので、車の評価点が上がったりすることはありません。イメージは良くなりますが、実際の買取額に反映されるかは難しいところなので、忙しい合間をぬって洗車をする程の必要はないと思います。
外装よりも車内を掃除しておく方が重要
査定士は車内も評価します。具体的には、外装(A~C)と内装(A~C)で評価しています。車内の汚れや片付け具合をみると、そのユーザーがどのような人か少しわかったりします。例えば、グローブボックスの中も綺麗に整理されていて、車内も綺麗にしている人は、整備やメンテナンス、車の使い方も綺麗なんだろう、とかそんな具合です。
実際に車の保証書関係書類や、整備記録簿・メンテナンスノート、エンジンオイルやバッテリーの前回交換時期は確認しますが、日頃の乗り方や使い方まで査定をしただけではわからないので、車内の状態等のその他の部分から想像を働かせることは人間なのであるかもしれません。
なので、車内・内装は査定の時だけでも綺麗に整理しておいた方が良いと思います!
4. 車の高く売れる色とは
鉄板は、「パールホワイト」「クロ」
ポイントは、「白」ではなく「パールホワイト」(メーカーによって名称は変わりますがパールが入っていればOKです!)、「クロ」は青とか混入のない真っ黒(トヨタであればコード220(紺系の黒)など黒の種類がいくつかある)ということです。
トヨタであれば202ですね。他メーカーでも、他の色の混入の少ない真っ黒に近い黒が一番オススメです。
どちらかでいくと「パールホワイト」が若干高いか
昔で言えばロシア行きの輸出車両としては、雪に紛れて不人気色として白系が言われていました。最近の高年式車両の輸出仕向地であるシンガポールや香港、スリランカ向けのアルファード、ヴェルファイア、ハリアー、プレミア等においてはパールホワイトは人気の色として上がっています。
新車購入時、パールホワイトは少し高くなってしまいますが、売る時はその分回収できるかもしれませんね。
派手な色は再販には不人気、差は買取価格の約5~10%
3番手で売れる色は全体としては「シルバー系」です。特に高額車においてその傾向が高まります。
逆に赤や青、黄緑などどちらかと言えば目立つ色は再販の時に需要が限られるという理由で不利になりやすいと言えます。
その価格差は大体5〜10%で、
・300万円の査定の車で15万円〜30万円
・30万円の査定の車で1万円〜3万円
ぐらいです。価格が大きくなればなるほど、色加点色減点は大きくなります。
5. 車を高く売る交渉術
会話の主導権を握ろう
交渉において凄く大事な部分です。
結果的に高く売る為には、会話の主導権を握る交渉をしなければいけません。
常に買取店に対してマウントを取り続けるというイメージです。極端な例で言うと、
(→) 条件が良かったら売りますよ、良くなかったら売りませんというメッセージになる。
買取店は会話の主導権を取ろうとしてきます
初めて買取店で車を売ろうとしている人や、押しに弱い人は要注意です。
・今ならこの価格(XX円)で買い取らせて頂けますが、どうされますか?しかし今決めて頂けないと在庫の問題で出せる金額が大きく下がってしまいます。
・XX円で提示できるのはおそらく弊社だけです。今回は正にうちが欲しい車種だったので特別に頑張らせて頂きました。今回のチャンスを逃すともったいないですよ。
- 相手より先に話しかける
- 間髪入れず一言褒める
ということをすると、まず間違いなく会話の空気があなたのものになります。
査定士の身なりや、顔、持ち物などなんでも良いので一言褒めてみて下さい。その後の会話において相手との楽なコミュニケーションが取れるようになるはずです。
相見積もりは必ずとりましょう(おすすめは3社)
1社だけだとどうしても基準となる価格がわからないので、判断がしにくいと言えます。2社でも良いのですが、会社により得手不得手がある場合もあるので、私は3社をおすすめしています。
逆に5社以上、10社ぐらい見積もりをとっても、買取価格はある一定のライン以上は上がりません。電話対応や査定の対応、交渉の対応に時間がとられるだけになることが殆どです。
効率と効果を最大限に考えた場合、3社がベストかなと思いますので、是非検討してみてください。
≫良い買取店・業者の見分け方’’【中古車業界人がおすすめの車買取店】
売りたい業者が決まったら最後に少し交渉してみる(あまり高額だとリスク高い)
売りたい業者が決まってきたら、最後に少し値上げ交渉してみましょう。(1万円〜3万円)
散々相見積もりの中、工夫をして金額提示し選ばれようとしている訳なので余裕はありませんが、おそらく買取店としては10万円前後は粗利益を計算していると予想します。
その際の交渉例をそれぞれ書きます。
- 同じ条件を出してくれている業者が実はあって、あと少し上げて頂いたら御社に決めようと思いますがなんとかならないでしょうか? → Good!
- ほぼ御社に決めようと思っているのですが、最後にあと1万円上げて頂けないでしょうか? → Bad
理由としては、
良い例(上) → 条件が同じ業者(仮想敵)を作って、最後あと少し差をつけないと契約がとられる可能性があると思わせているところと、いくら上げるかを相手に決めさせている2点が良いポイントです。成功率が高そうな交渉の仕方だと思います。
悪い例(下) → 先に御社に決めようとしている事を言ってしまっているところと、いくら価格を上げるかを具体的な数字を出してしまっているところがあまり良くないポイントです。買取店としてはおそらく条件を上げなくても決めてくるだろうと判断しますし、もし条件を上げる場合も本当は1万円以上増額できる状況であったとしても、1万円に抑えてしまうからです。
6. まとめ(車を高く売る為にはこれをしよう)
記事のポイントをまとめます。
- 買取店はディーラーの下取りよりも基本的には高価買取しやすい構造になっています。
- 車を高く売れる時期は春の梅雨前から秋ぐらいまでの暖かい時期です。
- 洗車は余裕があったらしておきましょう、ただし忙しい中やるほどの効果は期待できません。あとやるなら車内もやりましょう。
- 色は、パールホワイトか黒が確実に一番高く売れます。余程の特殊車でない限り例外は存在しません。
- 交渉において大事な事は、買取店の会話に巻き込まれないことです。主導権を取られることなく対等な関係で交渉を進めましょう。
一番大事な部分は交渉の部分だと思いますが、良い買取店の当たるかそうでない買取店に当たるかという運も絡んできます。
買取店の数は調べればいくらでもあるので、どこに依頼をすればいいのと迷う方は下記記事を参考にしてみてください。
≫良い買取店・業者の見分け方【中古車業界人がおすすめの車買取店】
それでは良いカーライフを送りましょう。