- 車とセットで必要な書類
- 普通車の場合(軽自動車以外全て)
- 軽自動車の場合
- 所有者が亡くなっている場合
- 所有者が法人の場合
- 所有者が販売店や信販会社の場合
- まとめ
・記事の信頼性
この記事を書いている私(キノさん)は、車の買取業界で10年の経験があり、約2,500台の査定・買取をしてきました。売却時の書類についても日頃から扱っていましたので記事の信頼性担保に繋がると思います。
車売却に必要な書類で重要なことは、”車検証上の所有者は誰か”です。使用者は関係ありません。所有者を中心に考えると理解しやすいので覚えておきましょう。
1. 車とセットで必要な書類
必ず要る書類
- 車検証(原本) →再発行可能ですが査定額に影響します
- 自賠責保険証明書(原本) →同上
あれば良い書類
- リサイクル券(緑色の小さな用紙)
- 車両の保証書(あれば評価としてプラス)
- 車両の取扱説明書(あれば評価としてプラス)
自動車税の納税証明書はWebでの支払いが多くなっていることや、なくても納税確認が取れるという理由で必要な書類ではありません。ただし、自動車税が未納の場合は、車を売却した後も個人として督促され続けますので注意が必要です。
2. 普通車の場合(軽自動車以外全て)
普通車の際の必要書類は基本下記3点です。
- 所有者の印鑑証明書(取得から3ヶ月以内)
- 委任状(実印を押印)
- 譲渡証明書(実印を押印)
参考:委任状
委任状(ダウンロード用)
委任状(書き方見本)
参考:譲渡証明書
譲渡証明書(ダウンロード用)
譲渡証明書(書き方見本)
車検証の住所と現住所と異なる場合
車検証の住所と今の住所が違う(車を買ってから引越しをした)という場合は住民票等が追加で必要です。
その際今の住所が、車検証上の住所から住民票上、何回変わっているか、に応じて追加で必要な書類が異なります。
- 1回 → 住民票(取得から3ヶ月以内)
- 2回 → 住民票+住民票の除票(1つ前の住所の役所にて取得)
- 3回以上 → 住民票+戸籍の附票(本籍地にて取得) 又は 住民票+住民票の除票(1つ前の役所で取得)+住民票の除票(2つ前の役所で取得)
戸籍の附票は本籍地からの全ての住所の移転内容が掲載される書類です。本籍地が遠い場合でも郵送で取り寄せができます。(各市町村のHPを参照)
姓が変わっている場合
結婚等で、車を購入した時と姓が変わっている場合があります。その場合は、
- 戸籍謄本(本籍地にて取得)
を取得し、姓が変わる前と同一人物という証明を行います。
場所は変わっていないが住所表記が変わっている
区画整理等で住所表記が変更となっている場合。役所で区画整理を証明する書類を取得してもいいですが、買取店側(提携の行政書士等)で用意できる場合もあります。まずは買取店に相談してみることをお勧めします。
3. 軽自動車の場合
軽自動車の場合は、普通自動車に比べ書類が簡単になります。
- 申請依頼書
基本はこの1点のみです。用紙は買取店が用意しますので、お客様は認印を準備すれば軽自動車を売却することができます。
参照:申請依頼書
申請依頼書(ダウンロード用)
申請依頼書(書き方見本)
軽自動車の車検証は車内で保管しない
軽自動車の場合、車検証の原本は車内で保管せず、コピーを車内に残しておきましょう。
認印(100円ショップでも購入できる)と車検証原本があれば誰でも名義変更できてしまう為、車検証が万が一盗難された場合は車を失う事に繋がりやすい為です。
高年式の軽自動車では売ると100万円を超えるものも多くあります。少しでもトラブルに会うリスクを下げておきましょう。実際に個人事業の中古車販売店等では、軽自動車(代車やレンタカー)には車検証原本は保管せず、コピーを車内に残してトラブルを防いでいます。
4. 所有者が亡くなっている場合
所有者が亡くなっている場合は、印鑑証明書が取得できない状況にあるということで必要書類が異なります。軽自動車はどちらにしても認印があれば売却できるので、ここでは普通自動車の場合という前提で説明します。
車両の査定額が書類内容に関係します。
査定額が100万円以下の場合
- 除籍(戸籍)謄本 ※書式→①亡くなった日付の記載があること②相続人全員の記載があること
- 遺産分割協議成立申立書【ダウンロード】
- 代表相続人の印鑑署名書(取得から3ヶ月以内)
- 委任状(代表相続人の実印押印)
- 譲渡証明書(代表相続人の実印押印)
遺産分割協議成立申立書と委任状と譲渡証明書の記載方法は、印鑑証明書通りの氏名・住所の記載と実印の押印になります。
査定額が100万円以下の場合は代表相続人さえ決めれば手続きがスムーズに行えます。とはいえ、管轄の陸運局が異なればやり方が違う場合があったり、代表相続人が未成年のケースは更に書類が必要だったりと注意点がたくさんあります。買取店に確認・相談しながら書類の準備を進めることをお勧めします。
査定額が100万円を超える場合
- 除籍(戸籍)謄本 ※書式①亡くなった日付が記載②相続人全員の記載
- 遺産分割協議書(相続人全員の実印での押印)【ダウンロード】
- 相続人全員の印鑑証明書(取得から3ヶ月以内)
- 委任状(相続を受ける方の記載・押印)
- 譲渡証明書(相続を受ける方の記載・押印)
100万円を超える査定の車両の場合は、相続人全員の印鑑証明書の準備と実印での押印が必要となる為、特に相続人が多い場合は大変な作業です。
上記と同じで管轄陸運局の判断の違い等もありますので、必ず査定をした買取店に相談をしながら書類を準備を進めて下さい。
査定を依頼する際は、書類の取扱にもなれている、JPUC(ジェイパック)に加盟している買取店に依頼するのがお勧めです。
≫参考:JPUC加盟の買取店が車を売るならお勧めできる理由
5. 所有者が法人の場合
所有者が法人の場合、基本的に普通車・軽自動車共に書類は同じですが一応説明します。
普通車の場合
- 法人の印鑑証明書(取得から3ヶ月以内)
- 委任状(法人の実印)
- 譲渡証明書(法人の実印)
よくあるケースとして、法人の住所が移転している場合は、
- 登記事項証明書(謄本)
が必要です。ここが個人名義の場合と異なります。
軽自動車の場合
- 申請依頼書(法人の印鑑であれば角でも丸でも可)
記載する箇所は個人の場合と同じです。
住所が移転している場合は謄本が必要になりますが、記載する住所を車検証通りに記載すれば、謄本の取得が省略できます。
6. 所有者が販売店やローン会社の場合
所有者がディーラー(販売店)やローン会社の場合は、その所有者が「印鑑証明書・委任状・譲渡証明書」の発行を認めてくれる書類、これが売却に必要な書類となります。
大きな流れとしては、
- ローンはなく所有権がついているだけ → 本人確認ができればすぐに発行
- ローンが残っている → ローンを一括精算した後に発行
となります。
所有権解除やローンの精算は買取店が代行します
車を売る際に、”所有権がついている”、”ローンが残っている”からといって、事前に何か動く必要はありません。
買取店が、ローン会社やディーラーとお客様との間に入り手続きを代行してくれる為、面倒な作業は任せてしまいましょう。(特に手数料も不要)
詳しくは下記の記事で説明しています。
≫参考:ローン途中でも車の売却は可能です【注意ポイントの解説付き】
7. まとめ
簡単にポイントをまとめます。
- 車と一緒に必要な書類は「車検証」「自賠責保険証明書」、他はあればプラス。税金は売却関係なく追われます。
- 普通車は「印鑑証明書」「実印」が必要。軽自動車は認印で済む為、車検証原本の管理が大事。
- 所有者が亡くなっている場合は、買取店に確認しながら進めましょう。複雑なパターンも多数存在。
- 所有者が法人の場合は、「印鑑証明書」と「謄本」で殆どのケースは解決。
- ローンが残っていても車の売却は可能です、まずは買取店に相談しましょう。
以上です。ここで記載できなかったケースはまた別の記事で解説していきます。
読者のカーライフにプラスとなります様に。