シビック【タイプR /ハッチバック】のリセールをプロ査定士が解説


ホンダ シビック(タイプR/ハッチバック)の新車から3年・5年、過去モデルのリセールバリュー(買取相場)を紹介します。

シビックといえばタイプRというイメージが強いですが、意外とリセールが高いことは知らずに乗っている方も多い様な気がしています。

最近ではフルモデルチェンジの影響もあり、タイプR以外のシビックに乗っている方も増えましたね。

この記事では、主にタイプRを中心にリセールバリューの高いモデルや中古車輸出状況などを解説しているので参考にしてみてください。

まずは結論からお伝えします。

 リセールは全体的に高いが、モデルによって波あり

 香港向け輸出の影響で一部グレードが高騰

 走行距離が少ない車両は予想以上の高価買取があるかも

モデル平均残価率
3年落ち(主にFK8)★★★★☆ 79%
5年落ち(FK2)★★★★★ 82%
FN248%
FD278~230%(一部特需)
EP343%
EK9114%

グレード・モデル別に調べていますので、シビックに興味のある人には絶対に読んでほしい記事になっています。

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リセールバリューとは

リセールバリューとは

 

リセールバリューとは
リセールバリュー(≒リセール)とは一度購入したものを販売する際の、再販価値のこと。中古車販売などの際に使われることが多い。なお、リセールバリューという言葉自体はガリバーの登録商標です。
参照元:Wikipedia
本記事では新車価格に対する買取相場(残価)の比率(%)として用いています。

買取相場の算出方法

買取相場の算出方法

買取相場は自動車オークションでの落札予想額から、買取業者の粗利益(10万円〜20万円)を引いて算出します。

理由としては、買取車両の大部分はオークションにて売却されている為です。

株式会社矢野経済研究所の『中古車流通総覧2020年版』によると、買取台数90万台のうち10万台が直接ユーザーに再販され、80万台はオークションで売却されています。

それでは実際のリセール/買取相場について見ていきます。

注意
この記事は2020年10月時点の情報です。最新の買取相場は中古車買取店へお問い合わせください。
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3年後のリセール/買取相場

参照元:グーネット

新車から3年後のリセールを3年落ちの平成29年式の買取相場からお伝えします。

平成29年は9月にフルモデルチェンジが行われており後期モデル(FC1、FK7、FK8)が対象となります。

【調査条件】

  • 過去3ヶ月以内の自動車オークション落札データより
  • 平成29年式・装備と色は絞り込みなし
  • 事故修復歴なし、内外装の状態良好(評価点4点以上)
グレード新車価格
走行距離
データ数
買取値幅
平均買取額
残価率
セダン2,650,320円
1.3~4.0万km
15件
160万円~205万円
185万円
70%
ハッチバック(AT)2,800,440円
1.2~4.0万km
17件
187~215万円
205万円
73%
ハッチバック(MT)2,800,440円
2.8万km
1件
240万円
86%
タイプR4,500,360円
0.5~4.8万km
20件
355~440万円
390万円
87%

※残価率=買取相場/新車価格(%)
※幅が出るのは、走行距離、色等がそれぞれ異なる為

キノさん
データ数が多い程人気のグレードで、残価率の精度も高くなります。
3年後の平均残価率
79%

【参考】3年後の残価率の基準

80%以上 → ★★★★★ 最高
70~80% → ★★★★☆ 優良
60~70% → ★★★☆☆ 高い
50~60% → ★★☆☆☆ 普通
50%以下 → ★☆☆☆☆ 低い

シビックの3年後のリセールバリューは平均79%で、全体の中では優良レベルです。

セダン、ハッチバック(ATかMTか)、タイプRそれぞれによって残価率が異なる形となりました。

やはりハッチバックのMT、タイプRのリセールが特に高いことがわかります。

またタイプRが高額でありながらも20台の売買データがあったことから、グレードとしての人気の高さも伺えます。

次に5年後のリセールを見ていきましょう。

5年後(FK2)のリセール/買取相場

参照元:グーネット

5年後のリセールを5年落ちの買取相場からお伝えするところですが、タイプR(FK2)が発売されたのが平成27年12月であることもあり同年が初年度のデータはありません。

ここではタイプR(FK2)の平成28年式(4年落ち)のリセールをお伝えします。

【調査条件】

  • 過去3ヶ月以内の自動車オークション落札データより
  • 平成28年式・装備と色は絞り込みなし
  • 事故修復歴なし、内外装の状態良好(評価点4点以上)
グレード新車価格
走行距離
データ数
買取値幅
平均買取額
データ数
タイプR(FK2)4,280,000円
0.5~7.3万km
11件
320~390万円
353万円
82%

【参考】5年後の残価率の基準

70%以上 → ★★★★★ 最高 
60~70% → ★★★★☆ 優良
50~60% → ★★★☆☆ 高い
40~50% → ★★☆☆☆ 普通
40%以下 → ★☆☆☆☆ 低い

4年落ちである型式FK2のタイプRのリセールバリューは、最高レベルと言えます。

3年落ちであるFK8のタイプRと殆ど変わらない残価率で、フルモデルチェンジでも殆ど落ちなかったことになります。

国内限定750台というのもリセールに影響しているでしょう。

FN2/FD2型のリセール/買取相場

参照元:グーネット

全国限定で発売された「タイプRユーロ/FN2」(2010年モデルは1500台、2011年モデルは2010台)、FD2型タイプR、同じくFD2型の無限RR(ダブルアール)の買取相場をお伝えします。

無限RRはタイプRをベースとして作られた無限のコンプリートカーです。(300台限定で10分で完売)

同モデルのFD1型シビックセダンは残念ながらほぼ廃車です。

【調査条件】

  • 過去3ヶ月以内の自動車オークション落札データより
  • 平成19~23年式・装備と色は絞り込みなし
  • 事故修復歴なし、内外装の状態良好(評価点4点以上)
グレード新車価格
走行距離
データ数
買取値幅
平均買取額
残価率
タイプRユーロ(FN2)3,000,000円
3.1~12.9万km
33件
78~200万円
145万円
48%
タイプR(FD2)2835000円
3.0~14.0万km
77件
130~340万円
220万円
78%
無限RR(FD2)4,777,500円
3.9~5.9万km
4件
970~1300万円
1100万円
230%

通常であれば新車からほぼ10年落ちの車が残価率50%以上あることが驚くべきことですが、無限RRについては新車価格を超えるプレミアとなっています。

これには香港向けの輸出が絡んでいます。

型式FD2のシビックタイプRは香港へ輸出される訳ですが、香港の富裕層が将来的な中国化の動きを受けて日本のスポーツカーを買い急いでいると言われています。

中国は自国産業保護の為他国の中古車輸入を禁じているので、それを受けての動きな訳です。

≫参考記事:なぜ12年落ちシビックの異常高値落札が続くのか

EP3/EK9型のリセール/買取相場

参照元:グーネット

初代、2代目タイプRであるEP3型、EK9型の買取相場をお伝えします。

【調査条件】

  • 過去3ヶ月以内の自動車オークション落札データより
  • 平成13~16年式・装備と色は絞り込みなし
  • 事故修復歴なし、内外装の状態良好(評価点4点以上)
グレード新車価格
走行距離
データ数
買取値幅
平均買取額
残価率
タイプR(EP3)2,331,000円
6.0~14.6万km
15件
55~130万円
100万円
43%
タイプR(EK3)2,198,000円
6.2~13.5万km
9件
145~290万円
250万円
114%

初代シビックタイプR(EK3)のリセールが当時の新車価格を上回っています。

走行距離にリセールは比例しますので、保管状態が良くリセールも良いものは200万円を超えての売却が期待できます。

リセールに関するその他

輸出情報

シビックタイプRの輸出先は次の通りです。

モデル輸出先条件
FK8マレーシア登録から12ヵ月~59ヵ月
FN2香港規制なし
FD2香港規制なし
EP3マレーシア
香港
登録から12ヵ月~59ヵ月
規制なし

新車登録から59ヵ月目までに輸出が可能なのは、現行モデルのFK8だけなので、過去のモデルの全ての輸出先は香港になります。

また現行モデルのハッチバックは輸出されていませんので、リセールは高いですが国内向けであのリセールということになります。

買取相場の推移

FK8の推移
FK8の過去半年の推移

データ数が多くはありませんが、30~40万円ぐらいは上がっている様に見えます。

FN2の推移
FN2の過去半年の推移

ほぼ安定しています。

FD2の推移
FD2の過去半年の推移

上に飛び出ているのは無限RRのデータです。

それ以外はほぼ安定しています。

EP3の推移
EP3の過去半年の推移

ほぼ安定していると言えます。

人気の色

色でリセールに差がつくまではいきませんが、「シロ」が断然が数が多いです。

その他では無限RRのカラーでもある「赤」や「黒」の数も多いと言えます。

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タイプRを高く売る方法

タイプRを高く売る方法としては、大手買取店の一括査定が手間はかかりますがおすすめです。

理由としては、店頭に並べてすぐに売れる様な車ではなく買取店の出口がオークションでほぼ決まっており、どの会社が必ず高いということが言えない為です。

勿論ディーラーはオークションで売るのを得意としていない為、避けた方が無難です。

買取店各社はいくらでオークションで売れるかを元に査定額を決め、そのいくらで売れるかはそれぞれ異なります。

その為多くのしっかりした買取店に査定をしてもらうことが良いでしょう。

とはいえ何社もの査定の対応をするのは大変なので、3~4社に査定をしてもらえば価格の信頼性としては十分だと言えます。

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タイプRのリセールまとめ

さすがはタイプRということで、全体的に高いリセールであることがわかりました。

しかしその中身はバラバラです。

タイプRのリセールバリューまとめ

また現行モデルのハッチバックは輸出されないですが、リセールが高い点にも注目です。

FK2のタイプRも輸出されないはずですが、82%の残価率は相当高い値です。

走ってもリセールは高いですが、やはり走行距離が少なく状態が良い車両にはプレミアがついているので、お持ちの方は引き続き良い状態で保管されるのが良いでしょう。

■香港向けの輸出で一部のグレードが高騰

■走行距離が少ないものほど高く売れる

■今のモデルも将来お宝になる可能性あり

シビック好きな方は是非タイプRの購入を検討されると良いですね。

売却や購入を検討中の方は参考にしてみてください。

それではこの辺で☆

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