個人事業主にも人気のハイエースですが、多くの人がカーリースでハイエースに乗っており、その理由は、
- 経費処理が車を買うのに比べて簡単
なことに加え、
- 高いリセールバリューを活かした売却益が手に入る
というWで美味しいメリットがあるからです。
こんにちは、中古車査定士の@キノサンです。
今回は個人事業主がハイエースをリースする際のポイントとメリット・デメリット、おすすめのカーリースについて詳しく紹介します。
個人事業主の方、またこれからハイエースの購入を考えている方ぜひ参考にしてみて下さい。
ハイエースはなぜリースの方が良い?
経費処理が購入等に比べて簡単
トヨタのハイエースバンを新車で購入すると、230万円〜320万円(+諸費用)ほどかかります。

個人事業主がマイカーを事業に使う場合、プライベートと仕事の使用頻度で按分し、仕事で使う費用のみを経費として計上する必要があります。
ハイエースの場合は6年間減価償却しますが、会計処理が複雑で手間もかかり、希望の按分率が税務署に認めてもらえるかどうかもわかりません。
一方でハイエースをカーリースした場合、毎月かかってくる費用は全額経費として会計処理することができます。
当然プライベートでも使う場合は上記の様に按分する必要はありますが、減価償却等をする必要はありません。
最近では経費管理システムがあったり、税理士を入れる人もいますが、この経費処理の仕組みが簡単というのがカーリースのメリットです。
保険料やメンテの手間が不要
カーリースでは、事業用の資金がなくても新車でハイエースに乗ることができ、月々の費用もそれほど高くありません。
更にメンテナンスが含まれた契約をすれば、車検などの費用が月額料金に含まれるため、管理が楽で車の整備を忘れる心配もありません。

ファイナンスリースとは?

ファイナンスリースとは、車両調達費用と契約期間中の自動車税などが入ったベーシックなカーリースのことを言います。
個人向けのカーリースは、殆どの商品にメンテナンスがついており、ファイナンスリースは多くありません。
メンテナンスリースとは?

メンテナンスリースとは、ファイナンスリース部分に車検・点検整備、消耗部品の交換等が含まれたカーリースのこと。
個人向けの多くのカーリースは、このメンテナンスリースになっています。
メンテナンス内容は、カーリース毎に細かく決まっている(交換部品等)ので、契約前に確認しておくのがおすすめです。

この様にカーリースは、経費処理が楽という点に加えて、車両の管理・メンテナンスが楽というメリットがあります。
特に仕事が忙しいと車両のメンテナンスは後回しになってしまいがちですが、万が一故障した場合は業務に大きな支障をきたしてしまいます。
カーリースの場合、担当のリース会社がメンテナンスや車検の時期を事前にお知らせしてくれる為、自分で細かく管理する必要がありません。
満了後は乗換え・買取ができる
カーリースは予め契約期間が決まっていますが、契約満了後は車をそのまま返却したり、気に入った場合は自分で買い取ることも可能。
※契約満了後の選択肢は各カーリースで異なります。

この様に契約満了後は車を返却するか、乗り換えるか、買取るかなど、様々な選択ができるのもカーリースの特徴でありメリット。
そんな中でもハイエースをリースする場合は、筆者は強く買い取ることをおすすめします。
それにはハイエースのリセールバリューが高いことが関係しています。
▼ハイエースの詳しいリセールバリューはこちら
ハイエースのリセールと残価率を中古車査定士が詳しく解説
トヨタのハイエースは1967年の発売以来、世界の各国で信頼性、使用性、走破性が評価されてきた歴史のあるワンボックスカー。ご存知の通り高いリセールバリューがあることで知られていますが、実は高年式よりも低年式でこそリセールを発揮する車で[…]
まだまだ高く売れるハイエースを、契約満了だからと言ってリース会社に返却するのはかなり勿体ないと言えます。
その為にも満了後は買取ができるカーリースを選び、経費処理の手間と、満了後に買取った後の売却益の両方を取りにいく姿勢を持ちましょう。
満了後に買取りができるカーリース契約をオープンエンド契約と呼びます。(逆にできないのはクローズドエンド契約)
細かいことは後で説明しますが、ハイエースのカーリースは契約満了後に買取った方が良いと覚えておきましょう。
カーリースのデメリットと注意点
そんなカーリースにも当然デメリットや注意すべきポイントがあります。
その部分ついて解説します。
カーリースには審査がある
カーリースの契約時は、自動車ローンと同じように審査があります。
カーリースの審査は信販会社が行いますが、クレジットカードの審査に通ることができる安定した収入があればほぼ利用できると言えるでしょう。
内容としては年収のほか、個人事業主としての仕事の実績、過去の信用情報などが確認されます。
過去に滞納や自己破産をしている人は、審査に不利になることがあるので、もし滞納等があれば必ず審査前に精算しておきましょう。
審査が不安な人は、大手のリース会社ではなく、比較的審査が緩いカーリースで出してみるのが良いと思います。

※オープンエンド契約ができるカーリースに限定
契約によって異なる残価清算
カーリース契約においては基本的に残価が設定されます。
残価とはディーラーの「残価設定ローン」と同じ残価で、契約満了後の価値を残すという意味合いです。

当然残価が高ければ月々のリース料は安くなり、逆に残価が低ければリース料は高くなります。
そして残価は、先ほども出てきた「オープンエンド」と「クローズドエンド」という2つの契約方式に関連します。

オープンエンドは契約満了時に残価を支払うことで車を買い取ることができますが、クローズドエンドでは残価が非公開で買取はできません。
またオープンエンドでは車を返却する場合、査定会社の査定額が残価を下回った場合は追い金を払わないと返却ができません。
当然車両の状態が悪かったり、走行距離が多いと満了後に買取ったとしても、思った価格で売れない可能性もあります。
そういった意味でオープンエンドはクローズドエンドに比べリスクが高いと言われていますが、それはあくまでも返却する場合のみです。
クローズドエンドは車両状態がどんな状態でも追い金を払う必要はないものの、逆に売却益を得ることもできません。
リース会社の多くはこのリース満了後の車両売却で利益を出しており、その構造からしてもリース満了後は買取をした方がお得なのです。

↑カーリースの肝は正にここです。覚えておくと役立ちます。
走行距離の制限がある
カーリースの多くは走行距離の制限があります。
大体が月間500km、1,000km、1,500kmの中から選択して、それを超えると満了時に追加料金を支払う必要が出てくるというのが一般的。
月間1,500km以上を走行する場合は、残価設定が0円の9年リースなどにすれば追加料金と走行距離を気にせず利用することが可能です。
契約途中の解約は違約金が発生
カーリースでは、契約途中での解約は違約金を支払わないと解約できないことが多く、基本的に解約ありきでは考えない方がベターです。
細かい内容は、各カーリースによって異なりますが基本的には途中での解約は金銭的なデメリットがあると考えておきましょう。
解約には違約金が発生するケースが多いだけで、解約ができない訳ではありません。



原状回復費用がかかる
カーリースのクローズドエンドでは、契約満了時は車の原状回復をして車を返却する必要があります。(オープンエンドは関係ない)
車に傷などがある場合には、元の状態に戻す必要があるほか、原状回復費用として金額が請求されることもあります。
車の返却時に精算の必要がないクローズドエンド契約ですが、各カーリースによってはこの様に制限があるので確認しておきましょう。

では次に、そんなオープンエンド契約ができる、ハイエースをリースするのにおすすめのカーリースを紹介します。
ハイエースにおすすめのカーリース

ということで、ハイエースをリースするならオープンエンド契約ができる(満了後に買取ができる)カーリースがおすすめです。
オープンエンドのカーリースは全体のうちの一部なので、契約をするなら満了後に買取ができるカーリースをしっかり選びましょう。
安さを重視するならニコノリ
ニコノリは「ニコニコレンタカー」を運営する株式会社MICが運営する全国規模のカーリース。
ニコニコレンタカーを使ったことがある人ならわかりますが、とにかく安さを重視しており、コストを重視する人に向いています。
≪ニコノリの特徴≫
- 価格が比較的安い
- 中古車のリースも可能
- プランは5年リースか9年リースのみ
- 審査が比較的緩い(複数のリース会社と提携しており通過チャンスが多い)
- 5年リースは月間走行距離500kmまで、9年リースは走行距離無制限
ニコノリは安いですが、まず5年と9年でしかプランが組めないという特徴があります。
しかも5年リースの場合は月間走行距離が約500kmに制限される為、中々事業で使用するには厳しい面があるかもしれません。
5年リースはマイカー仕様、9年は商用仕様と割り切って考える様にしましょう。
しかしその点を除けば金額は安く、審査も通り易いおすすめのカーリースです。
同じく金額重視なリースナブル
リースナブルは株式会社三和サービスが運営している全国規模のカーリース。
こちらも安さを1番の売りにしており、Web上でも大体の月々支払い額を確認することができます。
≪リースナブルの特徴≫
- 価格が比較的安い
- 全車種からは選べないが国産車の殆どをカバー
- 途中での解約も可能(HPに記載あり)
- 契約プランは3年と5年のみ
- 月間走行距離については確認が必要
リースナブルも安いですがニコノリの同じく3年と5年でしか契約できないという縛りがあります。
しかしほぼ全ての国産車から選べること、途中での解約も可能など比較的バランスの良い内容になっています。
3年か5年リースして、そのあと買い取って売るという選択肢も取れるので、選ぶ車によっては使い勝手の良いサービスです。
万能型のコスモMyカーリース
コスモMyカーリースはCMでもお馴染みの、コスモ石油がスタンドで行なっているカーリース。
これまでのカーリースとは違い、3年・5年・7年・9年から選べ、月間走行距離は500・1,000・1,500と自由に組むことができます。
≪コスモMyカーリースの特徴≫
- 条件を自由に組み合わせやすい(万能型)
- コスモ石油のガソリン割引がある(最大10円/L)
- 国産車全車種から選択可能
- 契約終了後は車の買取もできる
- 中途解約金が発生するが、中途解約も可能
最も多くの方の要望に応えられるのが、コスモMyカーリースでしょう。
反面、安さを重視するカーリースと比べるとややリース料としては高くなる可能性もあるので、ネックとしてはリース料ぐらい。
何よりコスモ石油自体にブランドがあり、安心感もあり、至るところにステーションがあるので給油も便利です。
まとめ:個人事業主はカーリースのメリットが大きい
以上、個人事業主がハイエースをリースする際のポイントなどについて解説してきました。
リセールバリューの高いハイエースを、サラリーマンとは違い確定申告や経費処理がある個人事業主が使うからこそカーリースが活きてます。
ポイントは何度も言いますが、契約満了後に車を買い取ることができる(オープンエンド契約)カーリースで組むことです。
料金や細かなサービス内容を確認し、自分にぴったりのカーリースを選び、効率的な車の乗り方をしていきましょう。
それでは本記事は以上となります。
最後までお読み頂きありがとうございました。
良いカーライフを。
個人事業主が車を持つ場合、経費処理において何か気を付けることはあるのでしょうか。また個人事業主が車を購入する際の、適したおすすめの購入方法とはなんでしょうか。今回は普段車業界に身を置き、近しい実体験を持つ筆者が、個人事業主の[…]