車の事故修復歴ってどこから!?現役査定士がわかりやすく説明します

本記事では車の事故修復歴とはどこからが有りでどこまでなら無しなのか?

その境界線についてわかりやすく解説します。

微妙な事故や車の修理をされた方は、この記事を読むことで事故修復歴に入るのかどうかの判断が感覚的にできるようになります。

キノさん
中古車査定士のキノさんです。
車買取で10年のキャリアと約2,500台を査定してきた経験から詳しく解説します。

1. 事故修復歴の定義

一般財団法人日本自動車査定協会と自動車公正取引協議会などの統一基準として、修復歴車と定義されているのは、骨格(フレーム)部位等を交換したり、あるいは修復(修正・補修)したものが修復歴車(事故車)となります。

【参考】

参照元:日本自動車査定協会

人間で言う骨折が事故修復歴にあたり、擦り傷から捻挫・打撲までは事故修復歴には該当しない、そんなイメージです。

なのでどこか修理をした、交換をしたから事故車になってしまうのかというと、そんな事はないので安心しましょう。

 

2. 事故修復歴に入らない事故・修理

事故修復歴に入らない

事故修復歴には入らない事象、事故について説明します。

外装パーツの交換は基本セーフ

  • ボンネット
  • フロントフェンダー
  • 各ドア
  • リアフェンダー
  • 前後パンパー
  • トランク
  • リアハッチ

上記のパーツ交換だけの場合は、間違いなく事故歴とはなりません。

また、

事故歴とならないケース

・コツンとぶつけてしまった事故

・駐車場内で起きる低速状態での事故

・子供がボールをぶつけてトランクを交換又は板金

・台風で物が飛んできてボンネットを交換又は板金

・ガードレールでこすってドアを交換又は板金

・縁石に乗り上げてしまってバンパーを交換又は板金

これらも全てセーフです。

もちろんこれ以下の修理歴も全て事故歴扱いにはなりません。

キノさん
重度の事故でなければ基本はセーフです!

査定の評価には影響する

パーツの交換は事故歴とはなりませんが、査定の評価には影響します。

影響度合いとしては以下の順になります。

【影響大】前後フェンダー>各ドア>ボンネット・トランク>前後バンパー【影響小】

フェンダーは他のパーツがねじ止めであるのに対し、溶接で止められています。

その分骨格に影響を与えやすい部位となります。

キノさん
査定をしていてフェンダーを交換・板金しているのがわかると、査定士はかなり事故を疑います。

またパーツが交換されていると、塗装のレベルによっては他の純正パーツと色味が若干異なります。
そういった点においても事故歴とはなりませんが、評価は下がるという事が言えます。

3. 事故修復歴ありとなる事故・修理

事故修復歴に入る

事故修復歴となってしまうケースについて説明します。

まずパーツの交換でも、事故歴となるパーツがあります。

  • ルーフ(天井)
  • ステップ(乗り降りする時の境目のパーツ)

この2つのパーツを交換していると事故修復歴となります。
ルーフは例えば雹が降って天井が凹んだり、何かが乗って凹んだりすると交換することになります。
ステップは縁石に幅寄せしようとして、強く乗り上げてしまった際などにダメージが大きく入った場合交換することがあります。
実際には事故はしていないのですが、車としては事故車となってしまいます。
また下記の様な事故は事故修復歴に該当します。

事故修復歴となる事故

・車のフロント部が他の車と衝突した(前部の事故)

・渋滞中に後ろに突っ込まれた(後部の事故)

・車の側面に突っ込まれた(横部の事故)

・フロントライトを交換する様な事故をした

この様な事故はどんなに綺麗に修理されていても事故車扱いとなる可能性が極めて高いです。

特にフロント部の事故は車の剛性に大きく関わり、事故車の中でも評価が悪くなります。

ホンダのワゴンは後部突き上げに注意

ステップワゴンやフリードは荷室の底が低く、広く設計されています。

その分後部のトランクフロアと言われる荷室のシャーシが地面と近くなっています。

この部分が坂道に入る際や、道路の凹凸と接触することで損傷すると事故車扱いとなってしまうので、注意が必要です。

これはトランクフロアの突き上げと呼ばれ、ユーザーも無自覚で事故車になっているケースがあります。

事故車を高く売る方法は普通の車と同じ

「事故現状車」専門の買取業者はありますが、「事故修復歴車」専門の買取業者というのは存在しません。

関連記事≫事故車や故障車でも価値はある!?現状事故車売却の3つのポイント

また自動車ディーラー等ではトラブルを防ぐという観点から、事故車は取り扱わないというところもあります。

その為事故車においては特に、下取りより買取業者の方が期待ができると言えます。

売却の際の流れは、普通の車を高く売る時の方法と同じで、

  1. 一括査定で複数社に査定を依頼する(お勧めは楽天オートです。)
  2. 値段を比較する
  3. JPUCに加盟している業者であることを確認して契約

という流れが現状はベストです。

関連記事≫JPUCって何!?優良買取店が必ず加盟している団体を解説

一括査定に疲れたという様な方は、ユーカーパックで直接全国の中古車販売店に高値で売るというのもありです。

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キノさん
最後までお読み頂きありがとうございました。
個別に聞きたい事があればお問い合わせよりお願いします。