ニッサン GTR(R35)の新車から3年・5年・7年後のリセールバリュー(買取相場)をニスモまで詳しく解説していきます。
一見、スポーツカーというイメージでリセールが高そうに見えますが、実際のところはどうなんでしょうか?そんな疑問にお答えします。
私も過去何度か中古車買取をしたことがありますが、割と強気で買取をしても結局高く売れたという印象。
一度は乗ってみたいと思う車だと思いますが、中古車価格の目星や、手放すタイミングなどの参考にもなるかと思います。
この記事では、リセールバリューの高いグレードやポイント、中古車輸出状況なども調べていますので是非参考にしてみてください。
先に結果からいきましょう。
全体的にリセールは高い、最も高いのはベースグレード
ニスモのリセールは他グレードと同じで突出して高くはない
走行距離がリセールの多くを占める。距離が大事。
グレード別に細かく調べていますので、GTRに興味のある人には絶対に読んでほしい記事になっています。
R32型からR34型における、歴代のスカイライン GTRのリセールバリュー(買取相場)を詳しく解説していきます。カルロスゴーン元社長時代にR35型GTRが復活し、今でもリセールの高い人気車種となっていますが、歴代のGTRはどうで[…]
リセールバリューとは
参照元:Wikipedia
買取相場の算出方法
買取相場は自動車オークションでの落札予想額から、買取業者の粗利益(10万円〜20万円)を引いて算出します。
理由としては、買取車両の大部分はオークションにて売却されている為です。
株式会社矢野経済研究所の『中古車流通総覧2020年版』によると、買取台数90万台のうち10万台が直接ユーザーに再販され、80万台はオークションで売却されています。
それでは実際のリセール/買取相場について見ていきます。
この記事は2020年10月時点の情報です。最新の買取相場は中古車買取店へお問い合わせください。
【無料】今すぐ中古車査定を申し込む
3年後のリセール/買取相場
新車から3年後のリセールを3年落ちの平成29年式の買取相場からお伝えします。
【調査条件】
- 過去3ヶ月以内の自動車オークション落札データより
- 平成29年式・装備と色は絞り込みなし
- 事故修復歴なし、内外装の状態良好(評価点4点以上)
グレード | 新車価格 走行距離 データ数 | 買取値幅 平均買取額 残価率 |
GT-Rピュアエディション | 9,960,840円 0.8~4.3万km 3件 | 830~880万円 850万円 85% |
GT-Rプレミアムエディション | 11,705,040円 1.1~2.0万km 4件 | 880~930万円 900万円 77% |
GT-Rブラックエディション | 11,869,200円 0.5~1.5万km 5件 | 950~1000万円 980万円 83% |
GT-Rトラックエディションエンジニアードbyニスモ | 13,699,800円 | データなし |
GT-Rニスモ | 18,700,000円 0.4~2.8万km 6件 | 1320~1550万円 1430万円 76% |
※残価率=買取相場/新車価格(%)
※幅が出るのは、走行距離、色等がそれぞれ異なる為
3年後の平均残価率 |
80% |
【参考】3年後の残価率の基準
100%以上 → 資産
90~100% → 神
80~90% → 最強
70~80% → かなり高い
60~70% → 高い
50~60% → 普通
50%以下 → 低い
GTRの3年後のリセールバリューは80%で、全体の中だと「最強」レベルです。
期待の高かったニスモも平均残価率は76%と、思ったほど高くはありませんね。
基本的に高額車は車種自体に価値があり、新車価格の安いベースグレードのリセールが最も高くなりやすいですが、例に漏れずGTRもピュアエディションが高くなっています。
また傾向として、走行距離にリセールが大きく比例すると言えます。
距離が少なければ少ない程高いリセールが望めますが、4.3万kmのピュアエディションでも830万円で買取ができるなど、距離が増えてもある程度のリセールはあるという事も言えるでしょう。
5年後のリセール/買取相場
新車から5年後のリセールを5年落ちの平成27年式の買取相場からお伝えします。
【調査条件】
- 過去3ヶ月以内の自動車オークション落札データより
- 平成27年式・装備と色は絞り込みなし
- 事故修復歴なし、内外装の状態良好(評価点4点以上)
グレード | 新車価格 走行距離 データ数 | 買取値幅 平均買取額 残価率 |
GT-Rピュアエディション | 9,477,000円 | データなし |
GT-Rブラックエディション | 10,400,400円 2.1万km 1件 | 720万円 69% |
GT-Rプレミアムエディション | 10,587,240円 1.5~8.0万km 3件 | 550~720万円 660万円 62% |
GT-Rトラックエディションエンジニアードbyニスモ | 11,700,720円 1.6~3.2万km 2件 | 880万円 75% |
GT-Rニスモ | 15,444,000円 1.4~2.8万km 2件 | 1100万円 71% |
5年後の平均残価率 |
69% |
【参考】5年後の残価率の基準
80%以上 → 神
70~80% → 最強
60~70% → かなり高い
50~60% → 高い
40~50% → 普通
30~40% → 低い
GTRの5年後のリセールバリューは69%で、全体の中だと「かなり高い」レベルです。
マイナーチェンジを挟んでいる事を考慮すると、3年後の80%から69%の変化はまずまずのリセールと言えると思います。
平成27年式のオークションデータが少なく、低走行で状態が良ければ想定よりは高く売れる状態が続いています。
5年落ちの8万kmでも550万円では買取できそうなので、そう考えると走っても底堅いリセールはあると言えます。
7年後のリセール/買取相場
新車から7年後のリセールを7年落ちの平成25年式の買取相場からお伝えします。
【調査条件】
- 過去3ヶ月以内の自動車オークション落札データより
- 平成25年式・装備と色は絞り込みなし
- 事故修復歴なし、内外装の状態良好(評価点4点以上)
グレード | 新車価格 走行距離 データ数 | 買取値幅 平均買取額 残価率 |
GT-Rピュアエディション | 8,694,000円 1.2万km 1件 | 660万円 76% |
GT-Rブラックエディション | 9,471,000円 1.6万km 1件 | 700万円 74% |
GT-Rプレミアムエディション | 9,618,000円 2.9~3.0万km 2件 | 680万円 71% |
7年後の平均残価率 |
74% |
70%以上 → 神
60~70% → 最強
50~60% → かなり高い
40~50% → 高め
30~40% → 普通
20~30% → 低い
20%以下 → かなり低い
GTRの7年後のリセールバリューは、走行距離が少なければ平均残価率74%で「神」レベルだと言えます。
5年落ちに比べ新車価格が約100万円低いこと、走行距離が少ないデータが多いということが関係しています。
しかしもの自体の価値は下がっておらず、走行距離が少なければしっかり高値で売れるということが実証されています。
流通台数も少なく、また走行距離も短いということが流通車種全体を見て言えることです。
GTRのリセールのポイント
輸出状況
GTRは新車登録から1年落ち〜5年落ちまでが、マレーシアに輸出されています。
マレーシアは基本的に高価格帯の車が輸出される仕向け国で多くの車種が輸出されています。
その多くはトヨタ車です。(同国向け1~3位は30系アルファード、30系ヴェルファイア、60系ハリアー)
その為数は多くはありませんが、5年落ちまでの中期〜後期モデルは一部輸出されていると言えます。
オークション相場の推移
最もデータ数の多そうだった、平成29年式で調べました。
1000万円を超えている点はニスモで、下の方の点はブラックエディション以下のグレードです。
過去半年だと大きな上下はなく売却価格はほぼ安定している様に見えます。
人気の色
GTRは前にもお伝えした通り走行距離はリセールに大きく影響しますが、ボディカラーはそこまでリセールに影響しません。
しかし中でも多い色は、ブリリアントホワイトパール(パール系)です。
次に黒、シルバー、ガンメタ、オレンジとなっています。
比較するとやはりパールホワイトと黒が高く、オレンジ・シルバー・ガンメタが少し弱いと言えます。
「車の色って何色を選んだ方がいいの?」リセールを気にして車の色を選んでいる人はいますか?あまりいないですよね。(本人の自由だ!) しかし実際には、走行距離やグレードが同じでも色の違いで査定額が異なっ[…]
GTRのリセールまとめ
いかがでしたでしょうか。
走行距離が多いデータがほぼ0なので少しデータの出し方としては特殊ですが、それを含めてリセールは全体として高いと言えます。
特に7年落ちでの新車価格比残価率74%は、全車種の中でもかなり上位に位置します。(現在調べているデータ中だと2位)
「リセールバリューの高い車に乗りたいけれど、どの車が何年後にどのくらいリセールがあるのかわからない。。」そう思うことってありませんか?こんにちは、中古車査定士の@キノサンです。今回は私が書いている車のリセールバリュー[…]
車は乗ってなんぼという世界ではありますが、長期保持していても距離が少なければリセールが下がらないということで、さすがは日産が誇るスポーツカーと言えるでしょう。
■ニスモのリセールは突出して高い訳ではない(他のグレードと同じ)
■最もリセールが高いのはベースグレードの可能性が大きい
■走行距離が何よりも大事。距離が少なければハイリセール狙える