本記事ではヴォクシー・ヴォクシーハイブリッドのリセールバリュー(残価率)をグレード別に詳しく解説します。(令和2年5月時点)
ヴォクシーの購入や売却を検討されている方はこの記事で、
- 「いくらぐらいで売れるのか」
- 「いつが売り時なのか」
- 「ヴォクシーはリセール的に良い車なのか」
- 「買うならどういうスペックが人気なのか」
について理解することができます。
車買取で10年のキャリアと約2,500台を査定してきた経験から詳しく解説します。
—先に結論を言うと—
ヴォクシーのリセールは平均的★★★☆☆
W系の煌グレードの場合、リセールが高い傾向にある
見た目のモデルチェンジよりも、経過年数に比例して全体的にリセールが下がっていく
—詳しくは記事内容へ—
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1. ヴォクシーのリセールバリュー
・買取相場の算出方法
・新車から3年落ち(平成29年式)
・新車から5年落ち(平成27年式)
・新車から7年落ち(平成25年式)
・廃車になる車齢、走行距離
・リセールバリューまとめ
1. ヴォクシーのリセールバリュー
買取相場の算出方法
買取相場は自動車オークションでの落札予想額から、買取業者の粗利益(10万円〜20万円)を引いて算出します。
理由としては、買取車両の大部分はオークションにて売却されている為です。
株式会社矢野経済研究所の『中古車流通総覧2020年版』によると、買取台数90万台のうち10万台が直接ユーザーに再販され、80万台はオークションで売却されています。
新車から3年落ち(平成29年式)
新車から1回目の車検を迎える、3年落ち(平成29年:マイナーチェンジ前後)について解説します。
【調査条件】
- 平成29年式の2WDモデル。装備、色は混在
- 走行距離3万km前後(年間1万kmとして)
- 事故修復歴なし、内外装状態良好
【結果:マイナーチェンジ後】
参照元:グーネット
キノさん 2段積みのヘッドランプがシャープになっているのが後期モデルです。
グレード名 | 新車価格 燃費 | 買取相場 残価率(RV) |
ハイブリッドX | 301万円 23.8 | 176万円 58% |
ハイブリッドV | 314万円 23.8 | 182万円 58% |
ハイブリッドZS | 327万円 23.8 | 198万円 61% |
ハイブリッドZS煌 | 336万円 23.8 | 231万円 69% |
X | 250万円 16.0 | 150万円 60% |
ZS | 278万円 16.0 | 195万円 70% |
V | 279万円 16.0 | 170万円 61% |
ZS煌 | 287万円 14.8 | 215万円 75% |
【結果:マイナーチェンジ前】
参照元:グーネット
キノさん 2段積みヘッドランプの間が並行なのが前期です。
グレード名 | 新車価格 燃費 | 買取相場 残価率(RV) |
ハイブリッドX | 300万円 23.8 | 143万円 48% |
ハイブリッドV | 311万円 23.8 | 187万円 60% |
ハイブリッドZS | 323万円 23.8 | 190万円 59% |
ハイブリッドZS煌Ⅱ | 332万円 23.8 | 205万円 62% |
X | 248万円 16.0 | 132万円 53% |
ZS | 274万円 16.0 | 160万円 58% |
V | 273万円 16.0 | 132万円 48% |
ZS煌 | 282万円 14.8 | 171万円 61% |
ZS煌Ⅱ | 283万円 16.0 | 182万円 64% |
※残価率(RV)=買取相場/新車価格(%)
※買取相場=直近1ヶ月のオークションデータより算出
3年落ち(平成29年式)・3万km前後の 平均残価率と平均買取相場 | |
(MC後)ハイブリッド 80G系 | 58%・179万円 |
(MC後)ハイブリッド 80W系 | 65%・215万円 |
(MC後)ガソリン 80G系 | 60%・160万円 |
(MC後)ガソリン 80W系 | 73%・205万円 |
(MC前)ハイブリッド 80G系 | 54%・165万円 |
(MC前)ハイブリッド 80W系 | 61%・198万円 |
(MC前)ガソリン 80G系 | 51%・132万円 |
(MC前)ガソリン 80W系 | 61%・171万円 |
・最もリセールが良いグレードは「ガソリン・ZS煌」
・「80G系」よりも「80系W」がオススメ!
・ハイブリッドよりもガソリンの方が少しリセールが良い
ナビのグレードもそこまで差が出ないので、そういった意味でもコスパが良いです。
若干7人乗りのデータ多い(販売台数が多い)様に見えますが、定員によって価格に差は出ていません。状態や走行距離、装備の方が重要です。
新車から5年落ち(平成27年式)
新車から2回目の車検を迎える、5年落ち(平成27年式)について解説します。
参照元:グーネット
キノさん 29年式の前期モデルと見た目は同じです。
【調査条件】
- 平成27年式。装備、色は混在
- 走行距離5万km前後(年間1万kmとして)
- 事故修復歴なし、内外装状態良好
【結果】
グレード名 | 新車価格 燃費 | 買取相場 残価率(RV) |
ハイブリッドX | 293万円 23.8 | 110万円 38% |
ハイブリッドV | 305万円 23.8 | 143万円 47% |
X | 247万円 16.0 | 110万円 40% |
ZS | 267万円 16.0 | 138万円 52% |
V | 267万円 16.0 | 116万円 43% |
ZS煌 | 275万円 16.0 | 155万円 56% |
5年落ち(平成27年式)・5万km前後の 平均残価率と平均買取相場 | |
(HV)43%・127万円 | (ガソリン)48%・159万円 |
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装備が良く状態が良ければリセールは上がる
上記は平成27年式の48,000kmです。
車両の傷が少なく、9インチナビがついているぐらいですが175万円で落札されています。
この場合の買取額は175万円前後が予想でき、リセールバリューは64%になります。
新車から7年落ち(平成25年式)
新車から3回目の車検を迎える、7年落ち(平成25年式)について解説します。
参照元:グーネット
キノさん 25年は70系で見た目が変わります。
【調査条件】
- 平成25年式。装備、色は混在
- 走行距離7万km前後(年間1万kmとして)
- 事故修復歴なし、距離に準じた内外装状態
【結果】
グレード名 | 新車価格 燃費 | 買取相場 残価率(RV) |
X | 212万円 14.4 | 45万円 21% |
X Lエディション | 230万円 14.4 | 45万円 20% |
Z | 233万円 14.4 | 70万円 30% |
ZS | 252万円 14.4 | 70万円 28% |
V | 270万円 14.4 | 65万円 24% |
ZS煌 | 260万円 13.8 | 80万円 31% |
ZS煌Ⅱ | 261万円 14.4 | 85万円 33% |
ZS煌Ⅲ | 265万円 14.4 | 85万円 32% |
ZS煌Z | 257万円 13.6 | 75万円 29% |
7年落ち(平成25年式)・7万km前後の 平均残価率と平均買取相場 | |
(70G系)22%・52万円 | (70W系)31%・78万円 |
70W系が高リセールです。
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70系でも距離が少なければ100万円に乗る可能性あり
平成25年式でも5万km台であれば上記の様に、100万円台で売買が成立しています。
内容が良ければまだまだ3桁が狙えそうですね。
廃車になる車齢、走行距離
ヴォクシーの再販価格が低く、廃車になる様な条件はどこなのか調べました。
- 70系前期の走行距離が15万km以上
- 60系
上記の条件では買取価格が0〜3万円になる可能性が高く、廃車業者に買い取ってもらった方が高くなると言えます。
廃車は排気量で買取額が決まる為、2000ccのヴォクシーは車両だけでも1万円〜2万円ぐらいの価値には最低でもなりますが、
車検が残っている場合は残期間に応じた自賠責保険と重量税の還付金までもらうことで、総額としては大きな金額で買い取ってもらえます。
低年式車・過走行車は解体業者に売る方がお得
平成16年式アルファード(ANH10W)初期アルファードの2400cc、16万km走行、車検R3/10まで。今はオークションでも5万円もないので買取は値段がつきません。解体業者だと、車両本体+自賠責還付+重量税還付で10万円を超えます。
上手く使い分けましょう!
— キノさん@中古車査定士×ブログ(33) (@Boardingxx) April 23, 2020
廃車ひきとり110などの還付金も併せて買取りしてくれるところに依頼するのがオススメです。
リセールバリューまとめ
- モデルチェンジよりも年数に比例して全体的に下がる
- W系のグレードがオススメ(特に「キラメキ」)
- ハイブリッドよりもガソリンの方がリセールが高い
中古車を買う場合は必ず「キラメキ」系を狙いましょう。
2. リセールを踏まえた売却/購入のポイント
売却のポイント
2021年にヴォクシーとエスクァイアがノアに統合されることが予想されています。
【2021年に統合が濃厚。トヨタのミニバンはノアが本命】
販売車種の絞り込みにより、ヴォクシー・エスクァイアがノアに一本化されることが濃厚です
輸出の絡みもありリセールはこらまで似ていましたが、名前が残るノアが今後は高くなると予想されます#車買取 #ミニバン https://t.co/2l3DjV77jl
— キノさん@中古車査定士×ブログ(35) (@Boardingxx) May 21, 2020
これまでリセールはどどちらかと言うと経過年数ベースで下がっています。
その為大きなインパクトはなさそうですが、70系→80系のチェンジでもしっかり落ちてはいるので、それまでに売却をするのも良いでしょう。
時期としては夏から秋にかけての時期が一番相場が安定しています。
査定は個人情報を買取業者に伝えることなく、最大5,000社の中から高い業者に売ることができる、ユーカーパックがオススメです。
まずは大体の金額が査定前に示されるので、高く売る方法を探している方は調べてみましょう。
>>1回の査定で最大5,000社があなたの車に金額提示!【UcarPAC】
購入のポイント
どうせならリセールが高くなる仕様で買う(新車)
これから購入するのであれば、ノアへの統合の流れを押さえましょう。
統合が確実視されていきそうなら、兄弟車であるノアの購入が賢明と言えます。
またこれまでのヴォクシーのリセール傾向から下記の条件がオススメです。
- キラメキ系を選択(現行ノアではSi系)
- ナビはディーラーオプションで良いので大きめのもの
- サンルーフはなくてもOK(あまり評価対象になりません)
- 後部座席上のフリップダウンモニターは高評価
- 色はパールホワイト又は黒がオススメ
色による価格差
【オークション落札相場】▼
色の違いは約7万円ぐらいです。拘りがなければ黒かパールホワイトが良いですね。
※人気色:パールホワイト、黒
※普通色:グレー、シルバー、ワイン、紫など
サンルーフの価格差
【オークション落札相場】▼
サンルーフの差は約4万円です。装備した代金を回収できるとは言えません。
事故歴がある場合の価格差
【オークション落札相場】▼
事故歴ありになると大体30万円ぐらい評価が落ちています。
高年式であればあるほど価格差が大きいので気をつけましょう。
>>車の事故修復歴ってどこから⁉︎現役査定士がわかりやすく解説
値引きを比較させて出来る限り安く買う(新車)
新車へ乗換える場合は、値引き額を比較させれば少しでも安く購入することができます。
普通は県外のディーラーに行ったり他メーカーの競合車種と比較させますが、MOTAならWeb上で全国4,000のディーラーから見積りを取得したり値引きの交渉ができます。
購入するディーラーが決まっているとしても、値引き額が妥当なのかどうかを知る手段としても有効です。
型落ちが市場にたくさん出てきてから買う(中古車)
中古車を狙う場合、新型が発売されて買取相場が下がり始めてからがオススメです。
実際に買取相場が下がるタイミングは、新車が納車され始めて下取り車が増えてきてからです。
タイミングを見計って購入する様にしましょう。
3. まとめ
以上、ヴォクシー、ヴォクシーハイブリッドのリセールバリューについて解説しました。
ミニバンとしては人気の高い車種ですが、5年落ちで平均50%前後のリセールなので平均的なリセールの車ということがわかりました。
今後ノアへの車種統合などがリセールや中古車の値段にも影響を及ぼしそうです。
質問があればツイッターか、お問合せからお願いします。