プリウスのリセールバリューと残価率を中古車査定士が解説

トヨタ/プリウスのグレード別のリセールバリューと数年後の残価率やリセールの高い仕様について中古車査定士が詳しく解説します。

車を購入する際、将来の下取り額や買取り額が高い車やグレードを選んでおきたいですよね。選ばなくとも知っておいて損はない!!

本記事では具体的な残価率の他、有利なグレード、オプション、色なども解説しているのでぜひ購入時の参考にしてみてください。

本記事をざっくりまとめると↓
  • ハイブリッドとPHVのリセールは殆ど同じ。補助金や燃料コストを考えると、プリウスPHVはアリな選択と言える
  • グレードは「ツーリング」や「GRスポーツ」などのエアロ系にすべき
  • プリウス全体のリセールバリュー(残価率)はそこまで高くなく平均的

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【経過年数とグレード別】プリウスのリセールバリューと買取相場

プリウスの3年落ちから10年落ちまでの残価率と買取額を記載します。

残価率とは買取相場/新車価格(%)で値持ちの良さを表す指標です。
経過年数
モデル
残価率/買取額
ハイブリッド
残価率/買取額
PHV
フルモデルチェンジ:50系→60系
3年落ち
50系後期
58%/172万円
★★☆☆☆
57%/217万円
★★☆☆☆
マイナーチェンジ:50前期前期→後期モデル
5年落ち
50系前期
40%/114万円
★★☆☆星
40%/154万円
★★☆☆☆
7年落ち
50系前期
35%/97万円
★★☆☆☆
36%/141万円
★★☆☆☆
フルモデルチェンジ:30系→50系
10年落ち
30系後期
10%/24万円
★★☆☆☆
データなし

※買取額は全グレードの平均

 中古車査定士の所感
プリウスのリセールバリューは特段高いということはなく、平均的です。
これは形状がハッチバックであること、流通台数が多いことなどが関係しています。
とはいえ、現在の60系は価格が高額になったことに加え、見た目のシャープな印象から流通台数が過去モデルよりも少なくなる可能性はあります。
需給の観点からも、流通台数が減ればその分リセールバリューにはプラスの影響があるでしょう。
総じてプリウスのリセールバリューに過度な期待はせず、燃費やデザイン面を重視して乗るのがおすすめです。
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次に年数別のリセール(残価率)について下記で詳しく紹介します。
  • 3年後のリセール:残価率58%
  • 5年後のリセール:残価率40%
  • 7年後のリセール:残価率31%
  • 10年後のリセール:残価率17%

ひとつずつ詳しく解説します。 

3年後のリセール:残価率58%

3年後のリセールを3年落ちの買取相場から算出。3年後の残価率(平均買取額)は

  • ハイブリッドモデル:58%(172万円)
  • PHEVモデル:57%(217万円)

となります。

グレード新車価格
走行距離
データ数
買取相場
残価率
【ハイブリッドモデル】
E2,608,000円
6.4万km
5件
120万円
46%
S2,655,000円
5.8万km
599件
140万円
53%
Sツーリングセレクション2,826,000円
4.0万km
173件
188万円
67%
A2,910,000円
5.1万km
65件
160万円
55%
Aツーリングセレクション3,077,000円
4.5万km
75件
185万円
60%
Aプレミアム3,248,000円
3.2万km
9件
215万円
66%
Aプレミアムツーリングセレクション3,359,000円
4.9万km
36件
195万円
58%
【PHEVモデル】
S3,313,000円
3.9万km
15件
175万円
53%
A3,394,000円
6.4万km
5件
185万円
55%
S GRスポーツ3,615,000円
4.3万km
6件
245万円
68%
Sナビパッケージ3,805,000円
2.3万km
2件
185万円
49%
Aプレミアム3,933,000円
3.5万km
5件
220万円
56%
Aナビパッケージ4,047,000円
3.3万km
8件
220万円
54%
SナビパッケージGRスポーツ4,258,000円
2.1万km
1件
275万円
65%
Aプレミアムナビパッケージ4,392,000円
5.0万km
6件
230万円
52%

※残価率=買取相場/新車価格(%)

3年落ちはモデルチェンジ前の50系後期モデルの残価率となっています。

モデルチェンジの影響で若干低めに出ているのと、60系の3年落ちの残価率はこれよりは高くなると言えるでしょう。

5年後のリセール:残価率40%

5年後のリセールを5年落ちの買取相場から算出。5年後の平均残価率(買取額)は

  • ハイブリッドモデル:40%(114万円)
  • PHVモデル:40%(154万円)

となります。

グレード新車価格
走行距離
データ数
買取相場
残価率
【ハイブリッドモデル】
E2,429,018円
10.3万km
5件
80万円
33%
S2,607,120円
8.6万km
1179件
100万円
38%
Sツーリングセレクション2,628,327円
7.5万km
103件
130万円
49%
A2,777,563円
7.9万km
106件
110万円
40%
Aツーリングセレクション2,926,800円
7.0万km
87件
133万円
45%
Aプレミアム3,107,455円
7.7万km
15件
122万円
39%
Aプレミアムツーリングセレクション3,199,745円
8.7万km
18件
120万円
38%
【PHEVモデル】
S3,261,600円
6.1万km
61件
133万円
41%
Sナビパッケージ3,666,600円
5.9万km
39件
145万円
40%
A3,807,000円
7.0万km
67件
135万円
35%
Aレザーパッケージ4,066,200円
5.8万km
14件
150万円
37%
Aプレミアム4,222,800円
8.2万km
14件
135万円
32%
S GRスポーツ3,711,960円
7.2万km
26件
185万円
50%
SナビパッケージGRスポーツ4,116,960円
7.7万km
33件
195万円
47%

※残価率=買取相場/新車価格(%)

5年落ちは50系前期をベースに算出しており、50%を切ってしまっています。

フルモデルチェンジとマイナーチェンジを計2段階挟んでいるとは言え、5年落ち50%以下は避けたい展開ですね。

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7年後のリセール:残価率31%

7年後のリセールを7年落ちの買取相場から算出。7年後の平均残価率(買取額)は

  • ハイブリッドモデル:35%(97万円)
  • PHVモデル:36%(141万円)

となります。

グレード新車価格
走行距離
データ数
買取相場
残価率
【ハイブリッドモデル】
E2,429,018円
11.9万km
24件
65万円
27%
S2,479,091円
10.0万km
1091件
85万円
34%
Sツーリングセレクション2,628,327円
8.7万km
486件
105万円
40%
A2,777,563円
7.9万km
436件
100万円
36%
Aツーリングセレクション2,926,800円
8.6万km
406件
105万円
36%
Aプレミアム3,107,455円
7.9万km
87件
110万円
35%
Aプレミアムツーリングセレクション3,199,745円
9.0万km
147件
110万円
34%
【PHVモデル】
S3,261,600円
9.6万km
51件
105万円
32%
Sナビパッケージ3,666,600円
7.8万km
74件
125万円
34%
S GRスポーツ3,711,960円
9.8万km
8件
165万円
44%
A3,807,000円
8.0万km
157件
125万円
33%
Aレザーパッケージ4,066,200円
8.6万km
38件
133万円
33%
SナビパッケージGRスポーツ4,116,960円
6.4万km
6件
187万円
45%
Aプレミアム4,222,800円
7.3万km
98件
144万円
34%

※残価率=買取相場/新車価格(%)

7年落ちは更に落ちて30%台。

モデルは5年落ちと変わらないものの、ずるずると落ちていっています。

10年後のリセール:残価率17%

10年後のリセールを10年落ちの買取相場から算出。10年後の平均残価率(買取額)は

  • ハイブリッドモデル:17%(47万円)
  • PHEVモデル:なし

となります。

グレード新車価格
走行距離
データ数
買取相場
残価率
L2,232,000円
15.7万km
61件
30万円
13%
S2,386,286円
11.7万km
570件
40万円
17%
G2,592,000円
12.3万km
94件
45万円
17%
Sツーリングセレクション2,592,000円
12.8万km
83件
45万円
17%
Gツーリングセレクション2,797,714円
10.9万km
47件
50万円
18%
SツーリングセレクションG’s2,921,143円
10.4万km
78件
60万円
21%
Gツーリングセレクションレザーパッケージ3,435,428円
10.2万km
8件
60万円
17%

※残価率=買取相場/新車価格(%)

プリウスの10年後の残価率は平均17%ということで、まあ平均的な車と言えるでしょう。

車全体の10年後の残価率は新車価格の15%~20%が平均値です。プリウスはハイブリッドで海外でも人気がありそうですがリセールバリューは平均的です。

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車のリセールバリューを考える上では、車を手放すタイミングを自らコントロールすることが重要になってきます。

※HVの上級グレードで調べた結果です

モデル
(平均走行距離)
平均買取額
(前年比)
当年もの/50系
(万km)
284万円
1年落ち/50系
(万km)
267万円
(−17万円)
2年落ち/50系
(万km)
245万円
(−22万円)
3年落ち/50系
(万km)
231万円
(−14万円)
マイナーチェンジ:50系前期→後期
4年落ち/50系202万円
(−29万円)
5年落ち/50系172万円
(−30万円)
6年落ち/50系
(万km)
161万円
(−11万円)
フルモデルチェンジ:30系→50系
7年落ち/30系
(万km)
88万円
(−73万円)
8年落ち/30系
(万km)
80万円
(−8万円)
9年落ち/30系
(万km)
70万円
(−10万円)
10年落ち/30系
(万km)
61万円
(−9万円)

大きく見て現行プリウス(50系後期)の買取額は200万円台中盤、50系後期の買取額は150~200万円と見ることができます。

これは中古車の国内需要が多くある為で、年式に依らず買取相場が安定しているのは売る側からすればメリットと言えるでしょう。

個人的に現行プリウスの売却のタイミングは、3年落ちの年だと思っています。

モデルチェンジ前後での落差が大きいので、フルモデルチェンジ前に乗換えを検討するのがおすすめです。

 

【リセールの高い仕様】プリウスの人気のボディカラーやオプション

ここからはプリウスのリセールバリューの高い仕様とリセールが高くなるポイントについて紹介します。

まずはボディカラー(色)について。

リセールバリューの高い色

車の色はリセールにも影響します。

オークション相場から調べた、色によるリセール差が下記になります。

【ハイブリッドモデル】

台数/走行距離平均価格
パール1536台/6.6万km181万円
クロ1223台/7.0万km181万円
ホワイト615台/10.0万km140万円
シルバー1228台/7.5万km145万円
グレー249台/7.5万km166万円
アオ155台/6.7万km157万円
アカ244台/5.9万km169万円
イエロー42台/9.0万km130万円

【PHVモデル】

台数/走行距離平均価格
パール253台/5.7万km240万円
クロ117台/6.5万km230万円
ホワイト17台/6.4万km212万円
シルバー46台/6.6万km202万円
グレー25台/4.8万km220万円
アオ56台/4.3万km204万円
アカ33台/4.5万km221万円
イエロー5台/5.5万km201万円

※ハイブリッド n=5294 PHV n=552にて

ハイブリッドはパールホワイトかブラック、PHVではパールホワイトが最もリセールの高い色です。

逆にイエローが最もリセールバリューが低くなる色だと言えます。

特に色にこだわりがない場合は、リセールバリューを考慮して色を選択してみても良いのではないでしょうか。

 

リセールの高いオプション

プリウスのリセールが高くなるオプションとしては、

  • モデリスタエアロ(200,200円)

を中心に考えると良いでしょう。

しかし必須という訳ではなく、あったらプラスには評価される程度。

これら装備のない車でも高いリセールが出ている例もあるので、予算と合わせて考える様にしてください。

 

【中古車査定士が解説】車を安全に高く売るために気をつけるべきポイント

ここからは中古車査定士である筆者が、車を安全に高く売る為の方法と使うべき買取サービスの順序をお伝えします。

まず大前提として伝えておきたいことは、

  • ディーラーの下取り額に比べると買取店の買取額の方が99%高い
  • 車の売却は値段も大事だが、安心・安全に売却することも大事

ということです。

値段だけに捉われることなく、バランスの良い、納得のいく高値売却を目指しましょう。

使うべき買取サービスと順番

買取の見積もりを取るにあたっては、下記3つの形態で取るのがベストです。

とはいえ時間や労力を要すこともあるので、状況に応じて使い分けてください。

  1. ディーラーの下取り査定
  2. 買取業者の査定
  3. Webオークションでの査定

順番もこの順番で査定を依頼するのがポイントです。

理由は査定額の有効期限に関係しています。

ディーラーに下取査定を依頼する

まずはディーラー等の次の車を購入するところに下取り査定を依頼しましょう。この査定額は納車時期まで保証されることが多く、すぐに決断をする必要のない「持っておける」価格です。

基本的にはこの価格をベースに、より良い条件を探すことになります。

買取業者に査定を依頼する

買取業者に査定を依頼するにあたって、必ず○○が最も良い条件を出すというのはありません。

車の内容や売却タイミングによって、どこが最も良い条件を出すかはわからないので、安心できる業者複数社に査定を依頼するのがおすすめです。

ちなみに筆者はいつもカーセンサーの一括査定を利用しています。

カーセンサーは自宅近くの大手の買取業者がほぼすべて登録されている一括査定サービスで、信頼できる業者全てにまとめて査定が依頼できます。

下記の様に自宅近くの買取登録業者が複数候補に上がります。チェックを外せば知っているところにだけ依頼をすることもできます。

カーセンサーの一括査定
筆者のエリアだと最大7社に依頼が可能

買取業者に車を売る際のポイントとして、JPUCに加入している業者に売った方が確実に安心です。

JPUCとは車買取業界の健全化を進める団体のことで、ここに加入している業者との間にトラブルが起きても、JPUCに相談すれば解決してくれます。

大手の買取業者はほぼ全て加入していますが、気になる場合は下記で調べておきましょう。

≫JPUCの会員一覧(買取事業者)

キノサン
ちなみに車売却のトラブルで最も多いのは「キャンセルができない」「引取後に減額交渉される」など。
アシスタント
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引取後に何か言われても泣き寝入りするケースがほとんど!安心できる業者に売却することは凄く大事です

ちなみに今の中古車買取業界で最も安心して車を売却できるのはカーセブンです。

同社の社長は先程のJPUCの代表理事を務めており、安心な買取をモットーとし、絶対に顧客からクレームが上がる様な対応はしてきません。

カーセンサーの一括査定は大手業者にまとめて依頼ができますが、その中身や対応は各業者それぞれ。買取条件が良く、安心して車を引き渡せる業者に依頼することが大切です。

≫カーセンサーの一括査定(公式HP)

≫カーセブンの無料査定(公式HP)

Webオークションの査定をする

最後にトライしてみる価値があるのが、Webオークションでの売却方法です。

Webオークションとは1回の査定で記録した査定データに対し、後日Web上で数千社から入札を募り、最も高い業者に売却するという売り方です。

買取査定をしていると現場でよくバッティングすることがあり、実際に車を売る時にも利用しているのが楽天Car車買取ユーカーパックです。

Webオークションの特徴は、査定が1度のみなので一括査定の様に業者対応の手間がかからないのと、オークションの結果が安ければ無料でキャンセルができることです。

その代わりWebオークションは結果が出てから売る・売らないの判断を数日で行わなければならず、あまり待ってもらえません。

この様に査定額の有効期限が1番短いのがWebオークションになるので、他の金額が出揃うか、出揃った後に利用するのがおすすめです。

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おすすめは買取業者への査定依頼と同じぐらいのタイミングで依頼することです☆

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<番外編>オークション出品代行

それでも査定額に納得がいかない場合は、その希望額はあまり現実的ではないと言えるでしょう。

その上でかなり上級者向けとして業者オークションへの出品代行を依頼するという手もあります。

出品代行の最もメジャーなサービスはカーオークション.jpです。

業オクは上手く売れれば、買取業者が本来得ている利益をそのまま享受できる反面、流札率が高く、希望額通りに売れる保証もありません。

車を動かす必要もあるので、上手く売れないと手数料が嵩み、かなりハイリスクハイリターンな上級者向けの売却方法と言えるでしょう。

アシスタント
サポート
上手く売れれば買取業者の20万円以上高い金額が狙えますがその分ストレスも…

<番外編>個人売買サイトに登録

個人間売買も車を高く売るには適した方法です。

個人間売買は売りたい金額をこちら側で設定できる為、安く売れてしまう心配がないという点では安心して掲載できるメリットがあります。

しかし掲載価格が市場に見合っていないと一向に売れないという可能性もあり、バランスが重要。

クルマの売却革命と謳うカババは、プロが車に適した予想売価を設定してくれる他、個人間売買が成立しなくても一括査定で確実に高値売却ができるという中々優れた個人売買サービスです。

日程に余裕のある車の売却であればカババに希望の条件で掲載してみて、売買が成立しなければ一括査定で売り切る、という考え方もありですね。

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プリウスのリセールまとめ

冒頭にも記載した通り、プリウスのリセールバリューはそこまで高くありません。

どうしても形状がハッチバック、個人・法人からの需要の高い量販車という条件下で、高いリセールバリューを出すのは難しいでしょう。

とはいえ、そこまでリセールが低い車種でもないので、ポイントを抑えで乗ることで安定したリセールバリューが出せる車とも言えそうです。

本記事のまとめ
  • 「ハイブリッド」と「PHV」のリセールはほぼ変わらない。補助金や燃料コストを含めると、プリウスPHVは賢い選択
  • グレードは「ツーリング」や「GRスポーツ」などのエアロ系がおすすめ
  • プリウスのリセールバリュー(残価率)はそこまで高くない、平均的

車のリセールバリューに興味がある方はぜひ他の記事も参考にしてみてください。

良いカーライフを。

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